東京レポート

2011年03月26日

 3月24日から1泊で、出張で東京を訪れて参りました。連日報道されている「原発事故」「計画停電」の影響がどのようなものなのか。正直なところ、関西にいてはあまり実感が湧かないのですが、震災後初めて訪れた東京では、その変化に驚かされました。私が東京から帰って来たと知り、これから所要で東京方面へ向かう人々から現地の様子をよく尋ねられましたので、私が実際に体験した東京の様子をお伝えします

 今回は、伊丹から航空機を利用したのですが、羽田空港に降り立つや、まず減灯による暗さに驚きました。公共施設はいずれも容赦ない減灯を実施しており、地下鉄駅でも照明を半分以上消していたため、本当に真っ暗でした。それでも、現地の方いわく「これでも大分マシになりました」とのことです

 鉄道も路線バスも間引き運転が実施されておりました。街角ですれ違った奥様方のグループは、口々に「何が起きてもいいように、歩いて帰れる範囲で出掛けましょう」などと話し、いずれも遠出を避けているようでした

 午前10時前、スーパーの前には開店を待つ人々が長蛇の列を作っていました。外から見る限り、生鮮食料品などが山積みになって用意されており、わざわざ並ぶ必要などないようにも思えるのですが……おそらく、お目当ては、現在品薄になっているミネラルウオーターとインスタント食品なんだろうと思われました

 普段は色とりどりの照明まばゆい秋葉原も、ネオンサインを消している店舗ばかりで、営業しているのかすら分からない状態でした。午後7時ころだというのに真夜中以上の暗さで、すれ違う歩行者の多さだけが私たちに正確な時刻を伝えておりました。秋葉原に限らず、電器店はいずれも乾電池・懐中電灯・ラジオの在庫がなく、秋葉原の土産物として売られていた「萌え乾電池」までが売り切れておりました……ジャンク屋で部品を集めて鉱石ラジオを作るくらいならできるかもしれません

 立ち寄ったコンビニでは、弁当・おにぎり・サンドイッチ・パン・ジュース・お茶・酒類などは陳列されていました。しかし、ミネラルウオーターとインスタント食品が完全に姿を消しており、商品がまったく陳列されていないスペースがポッカリと口を開けていて、何とも不気味でした。牛丼屋もバーガーショップも回転寿司屋も普段どおりに営業しており、店に入ればお腹いっぱい飲み食いできるんですけどね……私が宿泊したホテル館内の自動販売機では、ミネラルウオーターがキチンと販売されていました

 関東では、大手コンビニチェーンから、小さな個人商店に至るまで、ほとんどの事業所が夜でも照明看板を消灯しているようです。そんな街の様子が、まるで犠牲者に弔意を示す半旗のようであり、また、日本にいる全ての人々が今回の大災害を前に連帯し、団結している姿のように思えて……理由はうまく言えませんが……目頭が熱くなりました
(弁護士 杉本周平)



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Posted by 滋賀第一法律事務所 at 02:57│Comments(0)その他雑記
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